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農業を変えていく日本酒

食べられない米から生まれる日本酒

日本酒はふつう酒米という、普段食しているコメとは違うコメを使います。別に食べられないわけではないのですが、なじみ深いコシヒカリなどに比べると食味は落ちます。この特別な米を使うことが、日本酒人気拡大の足かせにもなっていたのです。

米が足りない 悲鳴を上げる酒蔵

おすすめの日本酒酒米の王様は山田錦という品種です。鑑評会出品酒はほぼ全て山田錦が使用されるというほど、酒造りにおいて最も信頼されているのがこの酒米です。しかし、その栽培の難しさから農家が栽培に消極的だった上、主食用米の生産数量目標に組み込まれていたため、増産は困難でした。
そのような折、突然の日本酒人気。山田錦を使う獺祭などの吟醸酒が急速に需要を伸ばし、とうとう酒米が足りなくなってしまったのです。その結果、輸出拡大を目指していた業界にも衝撃が走り、見直しの機運が高まりました。そして、アベノミクスに乗りかかるかたちで、2014年度産米から生産数量目標を超えて生産することが認められたのです。

これからの酒と農業の関係

酒米確保の問題はある程度の解決を見ましたが、日本酒が海外に輸出されるようになって、今、日本酒はひとつの壁にぶちあたっています。これまでワインが主体だった醸造酒市場には、テロワールという概念があるのです。
つまり、原料の育った地域が酒を決めるという考え方です。すでにテロワールを取り入れて醸造を行っている仙禽などの酒造もありますが、酒米が酒質を左右するとの考えのもと、比較的限られている生産地域の酒米の確保を争ってきた日本酒業界では、なかなかに難しい問題ともなっています。「山田錦」の最適産地が兵庫県の特A地区にあると認識され、最高級酒にはそれを使用しなければならないと考えている限りは、日本酒業界の発展も頭打ちになるかもしれません。
現在では、新しい酒米開発に力を入れようとする動きもあります。これは都道府県が中心となって取り組む場合が多いのですが、中には、あの「十四代」で有名な山形の高木酒造のように、自社開発米で成功している酒造もあります。また、農家と契約農場で共同生産しながら日本酒を醸造する動きも拡大してきました。
今、日本酒は農業を変えていこうとしています。地域に沿った農業から酒を醸し出す時、はじめて日本酒は世界に認められる酒となるでしょう。そしてそうなった暁には、日本酒はよりバラエティーに富んだ酒として、人気を集めているはずです。

門外不出の酒米を使った日本酒

十四代 龍の落とし子

日本酒ランキング芳醇旨口の酒で、市場に革命を起こした「十四代」。その十四代を醸し出す高木酒造は酒米開発に力を注ぎ、「酒未来」「龍の落とし子」「羽州誉」を生み出した。中でも、「龍の落とし子」は門外不出とされ、十四代でなければその深みを味わうことができない。

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