「愛媛」カテゴリーアーカイブ

石鎚 純米吟醸 緑ラベル

飽きない日本酒の答え 石鎚緑ラベル

▶ 石鎚 純米吟醸 緑ラベル

石鎚 純米吟醸 緑ラベル近年、究極の食中酒との声も聞こえる愛媛の名酒「石鎚」の緑ラベル。インターナショナルワインチャレンジ2018では銀メダルを獲得し、かつてはANA国際線ビジネスクラスにも搭乗していた日本酒。

この日本酒は、西日本最高峰の「石鎚山」の名前を冠す。蔵のある石鎚山山麓の西条市は、掘れば湧き出る名水「うちぬき」で知られる。全国利き水大会で連覇したこともある軟水。アサヒビール四国工場でも使用される良質の水ではあるが、日本酒を醸造するには稀なほどの軟らかさ。普通であれば、腰が砕けるような酒になってしまいそうなものを、この石鎚の緑ラベルはキリリと芯があって、かつまろやかな味に仕上がり、キレもよい。ほのかな吟醸香もまた心地よい。

稀 少 感 : ★★
著 名 感 : ★★★
高 級 感 : ★★

石鎚緑ラベルはこう飲め!

石鎚 純米吟醸 緑ラベル西日本最高峰石鎚山は、標高1982メートル。古くから天狗が棲む山と恐れられてきたが、そこに鎮座する本当の神は、大地の神霊イワツチヒコ。だから、その名を冠するこの酒を飲むならば、グラスやメタルを使っちゃならない。
最適なのは、土の質感が見事に残る備前の器。同じ瀬戸内に面する岡山には石鎚講もあり、古くから備前の酒器を携えて、お山詣りを行っていたところ。
最近流行りの大吟醸などを備前の器に注ぐと、その重厚さの前に華やかさが消失されるといった欠点があった。しかし、石鎚の緑ラベルならば、太古の時代から生き残る備前焼の荘厳さにも、決して引けを取ることはない。むしろ、器に注げば備前のほのかな土の香と、緑ラベルの柔らかな吟醸香が絡み合って、神聖な気持ちを呼び起こしてくれる。これぞ、霊峰石鎚の名を冠する酒の凄さだろう。

さて、酒器は決まったが、飲み方とアテはどうする?

まず、飲み方であるが、温めてはならない。温めても旨いという輩もいるが、この酒を温めるとは何事だ!神の懐を潤してきた水の化身を、人の手で狂わせてしまってはならない。冷やで飲むべし。そうすれば、吉野川や仁淀川といった石鎚山に水源をもつ清流を体内に呼び込み、悠久の時の中を流れていくような感覚を味わえる。
そしてアテであるが、瀬戸内の魚介類と言いたいところであるが、そんなのは後日味わえばいい。石鎚緑ラベルは肉魚菜問わず、食材の旨みを引き出してくれる日本酒なので、手元に置けば「食」を立ててしまい、銘柄を忘れてしまう引き立て上手な日本酒だ。だからここでは、あえて日常食から離れて、「金柑の甘露煮」といきたい。
石鎚山のある愛媛県といえば、言わずと知れた柑橘王国。金柑の実も、季節になればいたるところに見られるという。それは恐らく、石鎚の山容を彩る衣のようなものだろう。それを甘露煮にしたものをひとつ頬張り、そして、備前の猪口を少し傾けてみて欲しい。すると、金柑の甘さとほろ苦さが、みごとに石鎚緑ラベルに包まれて、一気に高度1982メートルまで駆け上がってしまうのだ。それはもう、羽団扇を持った天狗の気分!

▶ 金柑の甘露煮