ちえびじん 純米酒

ちえびじん KURA MASTER で世界一

▶ ちえびじん 純米酒

ちえびじん 純米酒2018年夏、大分の日本酒が、日本ばかりでなくフランスでも注目を浴びた。2017年からワイン大国で始まったフランスにおけるフランス人によるフランス人のための日本酒コンクール「KURA MASTER」で、純米酒部門プラチナ賞ばかりでなく、全体の1位となるプレジデント賞をもかっさらってしまったのだ。それがこの酒・「ちえびじん純米酒」。
思えば、2017年の第1回大会でも、躍進したのは九州・佐賀の日本酒「七田」。フランスは、九州の日本酒との相性がいいのかもしれない。
しかし、それはさておき、美味しい日本酒には間違いない。世界中の誰からも愛されそうな甘みと旨みが、主張しすぎることなくバランスよく充填されている。

「ちえびじん」とは、「智恵美人」のことで、明治7年創業時の女将の名である。当時の蔵元の想いを140年も受け継ぎ、風光明媚な国東半島の片隅で、細々と酒を造り続けてきた蔵。以前より、日本酒通の間では有名な日本酒であったが、この受賞により入手困難な日本酒となりそうで心配である。

稀 少 感 : ★★★
著 名 感 : ★★★★
高 級 感 : ★★★

ちえびじん純米酒はこう飲め!

ちえびじん 純米酒大分県と言えば、「いいちこ」などで知られる麦焼酎天国。あの「二階堂」も、智恵美人を醸造する中野酒造がある杵築のとなり町。
日本酒が復活した今日においても、いまだに九州では日本酒は造られていないと信じている日本人は多い。しかし、古くから北九州は一大日本酒産地で、福岡県内の日本酒の酒蔵件数は、現在においても全国有数。もちろん、福岡県に接する大分県も、古くから日本酒で勇名を馳せ、隣の国東市で醸造される「西の関」は、かつて「西の横綱」とも称されたほど。

まあ、そんな知恵はどうでもいい。この「智恵」は、とことん美味い。醸造元の中野酒造は、その理由を仕込水に求めているが、本当のところは、初代の女将を想うその「ハート」だろう。商品群を見ると、最近は「裏ちえびじん」など新味を求めたものも人気があるが、それらを口にしても、「古き良き」風合いを忘れてはいないことに気付かされる。つまるところ、時代の変遷の中に身を置きながらも、決して核心は捨て去らない酒蔵。
さて、この度の KURA MASTER での評価を受けて、「智恵美人」がどうなっていくのかは注目。世界に羽ばたいて欲しい気持ちもあるが、自分だけの酒であってほしい気持ちもある。因みに、この美人ラベルの「智恵美人」は、地元大分県でしか入手できない特別仕様。東京向けの「ちえびじん」のような洗練された雰囲気はないが、こちらにはちょっとした驚きがある。
コップ酒でいいから無造作に酌んで、常温で一気に流し込む。何か、古い時代の甘いエピソードがよみがえるようである。